直近自分の中で万年筆ブームが巻き起こっている。
「どこがミニマリストやねん」って感じだが、良いと思えば買い、必要無くなれば手放す、それで良いと思ってる。
そんな言い訳をかましつつ、正直なぜここにきてM800を買ったかといえば、展示処分セールで半額だったからである。
いや、安いから買うとか、本当に一番良くないとは思っている。
でも文具好きならわかってもらえるのではないかと思うのだが、ペリカンのスーベレーンにおいて、
M800以上とそれ以下では明確にステージの違いがある
と思っている。
なら初めからM800買えよって思われるかもしれないが、そこはやはり価格の問題がある。
自分も文具への金銭感覚はバグっている方だが、やはり出せて4万円以下・・・6万円越えなどはなかなかハードルが高い・・・
そんな中、M800が33,000円で売り出されていたらどうだ?
たとえM605を買ったばかりでも心動かない?
まぁ正直いざとなれば売れば十分利益も出るラインとは思ったのもある。
そんなこんなで突如メンバーに加えられたスーベレーンM800 バーンドオレンジについて、レビューしていきたいと思う。
実際使ってみて、M605との比較で感じたことや、他万年筆との比較についても考察したい。
スーベレーン M800とは・・・?
スーベレーン M800については、今更語るまでもないだろうが、サクッとだけ・・・
ペリカン万年筆のスーベレーンシリーズの上位機種である。
スーベレーンの魅力については、下記を参照してほしい。
そんなスーベレーンだが、M1000、800、600、400、300・・・とサイズごとに分かれており、サイズが大きいものほど大きくて高い。
正直M1000はデカすぎるゆえ、かなりコアなファンしか買わない印象。
(選べるカラーも少ない)
ゆえに、ペリカンで上位機種として持つならM800が大変人気であり、一つの到達点であると言える(と思う)
限定色、バーンドオレンジとは
そしてそんなM800だが、度々限定販売で限定カラーが発売されている。
バーンドオレンジは、2015年の限定販売で、国内1500本の限定品となっている。
限定品だが、案外まだネットでも手に入る。(急げ!)
・・・まぁ正直かれこれ8年も経っていてまだネットで普通に買えるというのは、いまいち人気のなさが伺えるが・・・
ここは私が、セールで選択肢がなくやむを得ず運命的な出会いで手にしたM800バーンドオレンジについて、魅力を語っていきたい。
レビュー
前置き長くなりましたが、ここからは実際に購入したペリカン スーベレーン M800 バーンドオレンジを写真付きで解説していきたいと思います。
開封の儀
まぁ今回は展示品ということもあって、開封についてはあまり感動はなかったが・・・
ペリカンのいつもの箱に入っている。
まぁ高級文具のこの鎮座感は良いですよね。ブリスターとかに入ってないのが良い。
2015年の箱と今の箱、全然デザインも中身も変わってないんだなぁなんて思ったりもした。
外観
とりあえず外観を眺めてもらいたい。
語るのはそれから。
このオレンジの発色、どうですか?
後にも語りますが、ペリカンといえば・・・のあの縞々がない点に賛否両論はあるでしょうが、これはこれでまた味があるんですよ。
天冠は他のM800と変わりなし。親子のペリカンの刻印が可愛らしい。
キャップを後ろにつけた感じはこんな感じ。
さて、一通り外観を見ていただいた上で、実際所有して、使ってみたM800バーンドオレンジのレビューをしていきたいと思う。
胴軸について語る
先にも少し頭出ししたが、このバーンドオレンジの特徴は、なんといってもペリカンのシンボル、魅力と言ってもよいストライプを塗りつぶし、単色にしてしまった残念な胴軸鮮やかで発色の良い、美しいオレンジの胴軸だと思う。
いや、正直に言おう。
ペリカンといえば、あの緑縞のストライプが魅力と言っても良いとは自分も思っていた。(だから売れ残ってるのでは・・・とも思う)
あのストライプは、高級樹脂と透明セルロースを何重にも重ねて作っているそうで、ペリカンの象徴であり、こだわり部分だと今でも思っている。
何より、インク残量が確認できないというのは致命的ではないか・・・機能として劣ってしまうのではないか・・・と思っていた。
だが、インク残量の把握に関しては、なんと新仕様だとストライプでも見れなくなってしまっている。
ストライプの意味なくない?ここはどうにも納得がいかない。
ちなみに先に購入したスーベレーンM605グリーンホワイトについても、すでに新仕様適用で、インク残量は見れなかった。
ストライプは軸として綺麗ではあるのは認めるが、機能性が失われたのであれば、個人的にはあまり重要視するポイントではなくなった。
となれば、「単色のオレンジ軸を純粋にどう考えるか」となるが、結論使えば使うほど、なんとも愛おしくなってきたというのが結論である。
自分の場合、元々がセールでM800を手にすることができるという、出だしのため、説得力に欠ける気もするが、実際愛おしいのである。
M605グリーンホワイトのストライプ軸は確かに綺麗で、見ていてうっとりできる部分は多分にある。
だがなんというか、その華やかさにやや飽きが出るというか、やや「うるささ」を感じてきてしまうようにも思う。
ストライプが綺麗で見入ってしまうから、何かこう思考が分断されるというか、書く中で余計な情報量が頭に入ってしまうような感覚がある。(いや本当に強いていえばだけど)
また「ストライプはペリカンの魅力」と言えるが、裏を返せば「ペリカンといえばストライプ」という型にはまった感じ、誰が見ても
「あぁ、ペリカンね、良いよね」
みたいな、大衆と被る感じがちょっと面白くないとも思っていた。
その点このオレンジ単色の一件ペリカンを思わせないスタイルは、ひねくれた自分には良い。
そして、このバーンドオレンジ、キャップ部分は黒ではなく、ダークブラウンというのもポイントかと思う。
ブラウンといえば、スーベレーン800 ブラウンブラックを彷彿とさせるが、あれはブラウンすぎてなんか好きになれなかった。
その点、完全な黒でもなく、かなりダークなブラウンを採用してくれているのは好感度が高かった。
まぁ使ってみると、シンプルゆえに飽きが来ず、道具としての万年筆を全うしてくれている感覚が心地よいということである。
ペン先はM
M800のペン先は何が良いのか・・・
いろいろな意見があるが、自分としての答えはMである(というかMしか在庫なかった)
手持ちのM605は、ペン先EFで、実際使用していると、細すぎる感覚がややあった。
書きやすいのだが、細さゆえに少しカリカリ感というのか、いわゆるヌラヌラ感に欠ける不満があった。
特に自分の場合、A4用紙にメモを取ることが多かったりもして、小さい手帳への書き込みなどは少なかったという用途の問題もあったかもしれない(なぜEF買った?)
Mはまさにヌラヌラ感を感じることができる字幅で、これぞ万年筆!と思えるので、おすすめしたい。
ペン先はM605のオールシルバーよりも、やはりゴールドを含むM800スタイルの方が気分が上がります。(ほんま文具好きなのに字汚すぎるのは残念)
M800とM600を使ってみての比較
さて、バーンドオレンジの魅力については語り終えたので、ここからはM800とM600を使ってみての差をレビューしたいと思う。
一長一短ではあるが、個人的にはM800を推したい。
では理由を述べていきます。
重量感
M800とM600での一番の差を感じたのは重量感であった。
好みの問題もあるだろうが、自分はこのM800以降の重量感こそ、高級万年筆である価値だと感じた。
M600は、M400等と同様で、良くも悪くも軽い。
持ち運びを考えれば軽い方が良いとか、軽い方が疲れにくいとかいう意見もあるかもしれないが、このM800の重量感は、それ以下のスーベレーンとは格の違いを感じた。
M800はずっしり重い。この重さに価値を感じる。
特にキャップを後ろにつけて軸の真ん中ら辺を持ってサラサラとペンの重みで筆記すると、
「あぁ、俺良い文具で文字書いてるわぁ・・・」
感を存分に味わうことができる。
M600だと、ルックスでは良い文具であることはわかるものの、持った際のあの「ぞわっ」とくる存在感を感じられなかった。
インク容量
地味に恩恵を感じたのは、インク容量である。
いや大きいから当たり前なのだが、インクが長持ちするのって、すごく良い。
カヴェコなんかのコンバーターを使った万年筆を使っているせいもあるが、インク容量が大きいのはすごく良い。
そしていちいち分解せずともさっと吸引できるのも良い。
M600でも十分良きだが、比較してさらにインクが入るのは安心感があってよかった。
存在感
これもサイズによる部分だが、やはりでかい分、存在感がある。
自分の場合は手がでかいというのもあって、尚のことペンのサイズはでかいに越したことはない。
この存在感が所有欲を刺激し、なんか嬉しくなっちゃう(語彙力×)
まとめ
さて、長々語らせていただいたが、スーベレーンM800バーンドオレンジモデルの魅力をまとめよう。
まぁもしかすると万人受けするデザインではないのかもしれない。所々ディスりながら紹介してしまったが、個人的にはものすごく気に入った1本となった。
尚、展示品のため軸にやや傷があるものの、それゆえ扱い雑でも気にならず、ますます道具として向き合える相棒ポジションを確立したように思う。
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